暮らしと保険
事故に遭ったときや、病気にかかったときなどに、頼りになるのが保険です。
生命保険などを中心に、保険のしくみをみていきます。
保険とは
 保険は、加入期間や、すでに払い込んだ保険料に関わらず、契約した保険金が支払われるので、いざという時の備えに適しています。
主な保険の種類
生命保険会社が取り扱っている保険の保障による分類
 生命保険会社は、保障の目的によって、さまざまな種類の保険を取り扱っています。また、主契約と同じ保障の特約もあり、さらに保障を厚くすることもできます。
  保障の目的
遺族の生活資金 病気やケガの治療費 介護費用 老後の生活費の確保
重視するポイント 死亡保険金 入院費用、手術費用・通院費用など 介護費用 年金額・受取方法
保険の種類 定期保険、収入保障保険、養老保険、終身保険、変額保険など 医療保険、ガン保険、特定疾病保障保険など 介護保険 個人年金保険・変額個人年金保険など
生命保険の保障期間
 生命保険は、死亡保障などがある期間によって、大きく「定期保険」「養老保険」「終身保険」に分けることができます。
 定期保険と養老保険は、保障される期間があらかじめ決められていますが、終身保険は一生涯です。なお、養老保険には、満期保険金があります。
  定期保険 養老保険 終身保険
保障される期間 一定期間 一定期間 一生涯(満期はない)
死亡保険金 一定(期間中) 一定(期間中) 一定(一生涯)
満期保険金 ない 死亡保険金と同額 ない(満期はない)
途中解約した場合の受取額 死亡保険金よりもかなり少ない 満期に向かって増えていく 年数がたつにつれて増える
損害保険会社が取り扱っている保険の種類
 損害保険会社が取り扱っている保険は、次のように大別することができます。
変額個人年金保険
 変額個人年金保険とは、払い込んだ保険料に基づく積立金の運用による成果が年金として支払われるものです。据置期間中に被保険者が亡くなった場合には、一般に基本保険金額に基づく死亡保険金が支払われます。また、年金受取開始後(据置期間終了後)は、その運用成果(年金原資)が、一般に年金として支払われます。
死亡保険金(生命保険)と税金
 生命保険は、保険料を支払う人と、保険の対象となる人(その人の死亡などによって保険金が支払われる人)が同じ場合には、死亡保険金は相続税の対象となりますが、違う場合には、所得税や贈与税の対象となります。
保険料を支払う人(※) 保険の対象となる人 保険金を受取る人 死亡保険金の税金
夫Aさん 夫Aさん 子Cさん 子Cさんに相続税がかかる(一定金額までは税金がかからない)
夫Aさん 妻Bさん 夫Aさん 夫Aさんの所得となり、夫Aさんに所得税がかかる
夫Aさん 妻Bさん 子Cさん 夫Aさんから子Cさんへの贈与となり、子Cさんに贈与税がかかる
※保険料を支払う人と契約した人は同じ人と仮定
死亡保険金の非課税枠
 死亡保険金を相続する権利がある遺族(法定相続人)が受け取る(相続する)場合には、一定の金額までは非課税となります。非課税となる金額は、法定相続人の数(※)に500万円を掛けた金額です(今後変更される可能性があります)。
(例)死亡保険金が2,000万円、法定相続人が配偶者と子供2人の場合、
非課税枠…500万円×3人=1,500万円
課税の対象となる金額…2,000万円−1,500万円=500万円
※養子がいる場合には、法定相続人の数に含めることができる養子の人数に制限があります。
法定相続人以外の人が受け取る死亡保険金
 法定相続人以外の人が死亡保険金を受け取る場合には、非課税枠はありません。また、相続税の税額は2割加算されます。
2012年9月現在